皆さまこんにちは! ナガノート編集部のおぎさんです!
The Ultimate comment on shinsyu(信州に極論を)の略「ウリコメ信州」もいよいよ本番を迎えました!
ウリコメ信州は長野の課題に学生ならではの飛び抜けた発想でアプローチしようというアイデアコンテストで、今回のテーマは「空き家問題」です!
ウリコメ信州の記事はこちらから↓
6月に始まったこの企画。候補者選定や空き地を活用している施設見学・模擬プレゼンなどを経て最終日に残ってくれた2nd Canvas、ロッピキ、ボヘミアン珈琲、Synapseの4チームは緊張した面持ちで当日を迎えていました。ウリコメ信州のスタッフまでなにやら緊張しています。
本番ということもありますがその上審査員の方々が続々と集まってきたことも関係しているでしょう!
今回の審査員は
小布施町長 市村良三(イチムラリョウゾウ)さま
長野県立大学CSI 秋葉芳江(アキバヨシエ)さま
長野県NPOセンター 小林達矢(コバヤシタツヤ)さま
信州自治体学会 小池啓道(コイケヒロミチ)さま
主婦 土屋みほ(ツチヤミホ)さま
の5名。
各分野でご活躍されている審査員の方々が学生のアイデアを評価します! 評価基準は「一番応援したいアイデア」。さてどんなプレゼンになるのか楽しみになってきました!
13:00になると同時にウリコメ信州がスタート!
審査員の自己紹介から始まって早速スタート! じゃんけんにより発表順はボヘミアン珈琲、ロッピキ、2nd Canvas、Synapseに決まりました!
トップバッターのボヘミアン珈琲は不定期に場所を選ばず、コーヒーを振る舞う活動をしている団体。今回は空き家を清掃してそこでカフェを開き、地域の交流を促す、という大胆な構想をプレゼンしてくれました! スライドも見やすく、前回の模擬プレゼンから内容をかなり仕上げてきている模様・・・!
さぁ本番の質疑応答です! 早速司会からマイクを振られた市村審査員から、どこの地域の空き家を想定しているか、学生という性質上どうしても伴ってくる時間の制約に対して継続性をどう担保するのか」、実際に営業活動はしたことがあるのか、地域の中での信頼をどう作っていくのかなど、多くの人を見てきた町長の視点からの質問!(しかもいきなり4つ。エンジン全開です!)
それに対してボヘミアン珈琲は
特定の地域は想定していないが、浅間温泉など人通りの少ないところなどを狙う
自分が学校に残ってでも続ける!
いきなり地域に入ることは難しいのでまずはイベントなどを開催して地域との関係を作っていく
営業経験はない。これから積極的に取り組んでいけたら
と自身の考えを懸命に伝えていました。
その姿勢を見ていた秋葉審査員からは「空き家にもレベルの違いがあり、それぞれでしなければならないことは違ってくる。まだまだブラッシュアップの余地はあるがこのアイデアはすごい可能性を秘めていると思うので頑張ってほしい」とエールを送るシーンも見られました。
ロッピキの順番がやってきました。ロッピキは松本市の萩町にあるコミュニティスペースで、3年間の活動の中で地域の敬老会の企画などを行ってきたことにより町からの信頼を獲得しています。その結果萩町から支援金をいただくなど、地域との強い結束を持っています。今回も模擬プレゼンと同じく長年の活動を通して地域への貢献度や信頼性をアピール。
・出会いの創出
・挑戦
・可能性の開拓
・わくわく
といった4つのロッピキの理念を改めて強調して、コミュニティスペースとしての実績をまとめ上げてきました。審査員も町との深い関係性を聞いて驚きを隠せない様子。また現状の課題を解決するための資金面などの苦労も共有していました。
秋葉審査員から「このロッピキという場所の5年~10年後をどういう風に想定していますか?」という質問には「ロッピキと大学生、ロッピキと地域の人という繋がりになっているのでロッピキを入り口として大学生と地域の人を繋げていきたい。」と、さらに地域に入り込んでいく構想を語ってくれました!
土屋審査員からは「夏休みに小学生の勉強や自由研究を見てあげるイベントとかは主婦層にとってはとてもありがたいと思う」とした上で、「その小学生が将来ロッピキに関わりたいと思ってくれるかもしれないですよね。そういう広がりもあるんじゃないか。」とアイデアを提案していました。
市村審査員も「場として完成されている。町からの支援金を出していただけるほどの信頼関係を培っている話を感動して聞いていた。」として、「たまりBARの企画の時に参加した大人を巻き込んでロッピキの課題を解決してくれるように頼んでみるのはどうか。」とロッピキの活動を応援していた。
3番手は2nd Canvas。「学生の常識をぶっ壊す」というセンセーショナルなキャッチコピーを披露して、学生が最初に行動できることがイベントを作ること。この場所を通じて学生に行動を起こしてほしいという内容。 「学生でも場は作れる。オーナーにも学生にも両方向に空き家活用を訴えられるのが僕らの強み。」として空き家を学生が集まれる場所に変えていくことが地域を盛り上げることに繋がると訴えた。
小池審査員からは「学生の常識とはなんですか?」という質問に「ここまではやっていい、ここからは学生の身分ではやっちゃダメ、という見えない線引き。」として、「地域に入るという選択肢も持ってほしい。それを持った上で他のことをやってもいいし、地域に関わっていくのもいいと思う。それを決めるのは自由だと思います。」と力説。
市村審査員からは「他の大学の学生は関わっている?」との質問に対して「県立大学生には関わって貰っている。もっと色々な人に関わってほしい。特に信州大学工学部の人に。」とした上で「これからも関わってくれる大学生を増やしていきたい。」と意気込みを語っていた。
最後に決まったのは今回の最終審査で唯一の高校生団体Synapse。 長野工業高等専門学校からのエントリーとあってスライド資料の見やすさが段違い。審査員からも「おぉ・・・」と驚きの声が漏れるほどのスライドでした。
そんなスライドを使って説明してくれたのは空き家や「空き蔵」などを活用した動画編集などの機材を揃えたスタジオを作るというもの.
説明によると「ちょっと動画作成に興味ある」人や「もっとクオリティーの高い動画を作ってみたい」といった層をターゲットにしているとのことで、「もっと動画を作る人が増えてほしい。」という思いがあるようです。初心者向けにもセミナーなどを通して動画作りに触れてもらうことも考えていました。
小池審査員から「動画の作り方セミナーなどを出張でやることは考えているか?」との質問には「可能なのでいずれはやっていきたい」と回答。
また「動画はもう作ったりしている?」との質問に「ポートフォリオ(実績や実力を見せるための作品集)動画を1本作成予定です。他の高校生の例だが、自分の通う学校のPVを作ったところ学校に採用された例があるので、高専の映像を作ってみても面白いかもしれない。」と語っていた。
土屋審査員からは「わざわざ維持管理が大変な空き家でやるメリットは?」と厳しい指摘を受けながらも、「昔の民家などでみられる窓を広く取った開放的なデザインの建物に手を入れて改装すれば今風の開けたオフィス風スタジオができると思った。蔵も気密性が高いので音漏れしないのに加えて冬はストーブが1個あるだけで暖かく、夏は涼しい環境がスタジオに向いている。」と分析。
秋葉審査員は「ついにこの世代のプレゼンが来たのかと感慨深くみていた。」として上で「アイデアが古いところがある。動画をどういうものだと捉えていますか?」とフワッとした質問を投げかけられたSynapseメンバーは、少し間をおいてから「動画はよりアイデアを豊かにするもの。拡張現実など今までなかった、感じられなかったものも体験させてくれるものだと思う。」と答えると「それが答え。だったら提供するサービスはそこ(機材レンタル)じゃないと思う。もっと潜在意識を掘り越せるようなアプローチでアイデアを出してほしい。」と指摘。「アイデアの練られ方はまだ改善の余地があるけどもこれには凄いポテンシャルがあると思う。ぜひ頑張ってほしい。」とエールを送った。
市村審査員からも「5Gなどの環境要因も手伝って動画産業は凄いものになる。小布施もハウスホクサイ(クリエイター向けコワーキング)など映像・動画には力を入れている。ぜひ小布施でやってほしいくらいです。」と太鼓判を押した。
これで全ての審査が終了し、審査員は別室に投票をしに移動していきます。プレゼンターの緊張が緩み、口々に反省やいい感触を確かめているチームなどの雑談が盛り上がっていました。
審査員が投票を終え、いよいよウリコメ信州が終わりに近づいてきました。審査員の方々から好評をいただき、全てのプログラムを終えてウリコメ信州は無事閉会しました! 結果は24時間テレビ内で発表になるとのことで今日は結果発表はお預け。
最後にプレゼンを頑張っていただいた皆さんにインタビューをしました!
質問は
①今日のプレゼンに点数を付けるとしたら100点満点中何点?
②今日のプレゼンを終えての感想は?
の2つです!
ボヘミアン珈琲
①
65点くらいですかね・・・。手応えは感じています。アイデアを「面白い」と審査員の方々から評価いただけたことは嬉しかったですし、今まで外からの評価をしてもらう機会もなかったので。
②
模擬プレゼンの時にいただいたアイデアをつけて本番を迎えられたのはとても助かりました。
質疑応答のところでも第一線で活躍されている方々に厳しく質問をいただけましたし、その質問が全て為になるもので、今後に活かせそうなものばかりでした。これを元に活動をブラッシュアップしようと思いました。ありがとうございました。
ロッピキ
①
ウリコメ信州のプレゼンとしては0点でした。でも自分はアドバイスも欲しかったのでそう言った意味では100点満点ですね。未完成なプレゼンだったかもしれませんが、審査員の皆様のアドバイスをいただいて完成させてもらったような気がします。
②
ロッピキの理念である「わくわく」というのはゲストに向けたものだと理解していたけど、「自分が」わくわくしているかも大事だという視点をいただけた。自分はロッピキが好きなのでこの場所が続いて欲しいという思いがメインだったけど、これからは松本に寄った時に「ロッピキでも寄るかな」という風に気軽に来てもらえるような場所にしていきたいと思うようにもなりました。ありがとうございました。
2nd Canvas
①
75点です。前回の模擬プレゼンより内容も詰められました。しかしプレゼンの構成などはもう少し練り上げたかったですね。
②
審査員の方々がとても豪華だったので一つ一つのアドバイスがとても参考になりました。今抱えている課題もまるで最初から見ていたように正確に見抜かれて、とても驚きました。
フィードバックもいただけましたし、今後の活動にも活かしていきたいです。もっと2nd Canvasを学生に活用してもらえるようにしたいです。それこそ生活の一部として溶け込めるようなレベルまで。貴重な機会をありがとうございました。
Synapse
①
60点です。言いたいことが言えたとは言えなかったですから。雰囲気に飲まれて「立派なことを喋ろう」と考えて、思っていないことも少し言ってしまいました。経験だと思うのでこれからの課題ですね。
②
詰め切れなかったところがありました。他の人のプレゼンも参考になりましたね。しかし手応えをいただきました。アイデアを評価していただけたのは凄く嬉しかったですし自信に繋がりました。もっと考えていいものにしていきたいです。ありがとうございました。
最後に今回審査員を勤めていただいた小林達矢さんにインタビューをしました。
小林:今回は評価の基準として、①地域にどう関わっていくか②継続性という2つを設定しました。これからやろうとしている取り組みとこれからのチームでは地域との関わり合いの度合いは変わってくるのは当然です。そこは今回のフィードバックを参考にして欲しいと思います。
学生という立場上、「学生の間」だけ活動するという風になっていく団体は多いです。そういう中で「継続性」というものをどうやって作っていくか。それは思いを引き継いでいくやり方であったり、色々やり方があります。モチベーションを維持することも大切です。「なぜ自分はその活動をするのか」、「この活動は本当に自分のやりたいことなのか」ということを考えて欲しいと思います。学生ですから、やりたい事をやるのが学生らしさだと思います。
そういう意味では我々大人も学生や若い人たちが活動しているときにそれを時には助け、時には見守れるような懐の深さが重要だと改めて感じました。若い人に負けないように頑張ります!
いかがでしたでしょうか? 学生が知恵を絞って考えたアイデアの数々。これらが実現すれば長野はより魅力的な場所になっていく事間違いなしです!今回の密着を通して感じたのは学生たちの「何かしたい」という強い思いでした。その素晴らしい思いに大人としてどう答えていけばいいかを私も考えていくいい機会をいただけました。
ウリコメ信州、本当にお疲れ様でした!
そして6日後の8月24日、ウリコメ信州の最優秀者発表式が県立長野図書館「信州・学び創造ラボ」にて開催されました。
当日は市村良三小布施町長より「どのアイデアも本当に素晴らしかったので、選ぶのが難しかった。」とお言葉を頂戴し、表彰は最優秀賞と優秀賞に分けて全員を表彰する形式に変更されました。
まず優秀賞が発表され、ロッピキ・2nd Canvas・Synapseの3組が優秀賞として選出されました!
ロッピキ
2nd Canvas
Synapse
そして最優秀賞はボヘミアン珈琲! おめでとうございます!
ボヘミアン珈琲
記念のトロフィーが一般社団法人信州子育てみらいネットの山岸裕始さんより受賞者に渡されました! 皆さん表彰台に登る前は「緊張する・・・」と言っていましたが、いい笑顔を見せてくれました!
最後に実行委員も一緒に記念撮影!
その後は24時間テレビにブース出店してウリコメ信州の活動をみなさまに展示形式で見ていただくことになりました! 大勢の方々が興味を持って展示パネルに見入っていました!
25日には最優秀賞を受賞したボヘミアン珈琲がこのブース内でアイスコーヒーを振る舞い、50杯以上のコーヒーを会場の皆さまに楽しんでいただきました!
学生の皆さん、これからも頑張って活動を続けてください!
この記事を見てくれた学生のあなた! 来年のご応募お待ちしております!
撮影:彩pan[irodorizm] 様