みなさん、こんにちは!学生ライターのひろむ~です!
先日も取材させていただいた古着屋Triangleさん、学生でお店を開き、多くの人が訪れる激アツスポットになっています!
今回は、なぜTriangleさんがこんなに注目を集めているのか?どんな魅力があるのか?バッチリガッチリ取材してきたいと思います!!

まずTriangleさんが注目を集めた一つの理由が「ドネーション」という仕組みです。
ドネーションとは日本語にすると「寄付」という意味です。
どういうことかというとTriangleさんは服の仕入れを「寄付」という形で地域の方々から着なくなった服をいただくということを始めたのです!

このドネーションという仕組み、いろいろとすごいんです!
まずわかりやすく価格的な話から行きます。
既存の小売店ですと、仕入れコストが原価の3割を占めています。
1000円のTシャツは300円で小売店に卸されているのですね。
そんなに安いの!?小売店はすごく儲けているのか!と思いますが、意外とそうではありません。
小売店は在庫を抱えるための倉庫から、お客さんが多く通ってくれる地価の高いところでの店舗運営管理費(家賃,光熱費など)、広告費など支出が多いのです。
また売り切れる保証もないので原価を3割に納めなければ利益は出ないといわれています。
そして小売店は先に品物を買うため、支出が先行するというリスクを抱えています。
皆さんは、「半値、八掛け、五割引き」という言葉をご存知でしょうか?
これは小売店の洋服を売る際の値と段の下げ方を示しています。
半値(50%OFF),八掛け(半値の80%),五割引き(八掛けの50%OFF)ということなので元が100円だったとしたら最終的に20円ということですよね。原価が3割という話をしたので,これでは赤字になってしまうということが分かると思います。
さらにアパレルは違うトレンドになり、今年の服は来年になってしまうと売れないので何としても売り切らなければ大きな赤字の原因となってしまいます。
仕入れた商品は何としても売り切ってやるという思いが裏にありながら、小売店は経営されています。
ではTriangleさんはどうかというと先ほどまで話していた仕入れ値が全くない!
これは何を意味しているかというと、小売りに対して試行錯誤ができる土壌があるということです。
Triangleさんは今までで4回ほど売値を変化させてきて、自分たちの持つ商品がどのくらいの価格なのかを推し量ってきました。
社会人と比べ経験値の低い学生ですが、様々な試行錯誤をしていく中で今の価格帯に落ち着き,学生にも社会人にも買いやすい価格帯にしつつ,自分たちにも納得のいく価格設定にたどり着いたのです。
販売価格の設定は,社会人でも非常に難しいところです。地域によっても売れる値段が変わる場合もある上,仕入れ値や固定費などの観点から,価格設定自体に制限がかかり,試行錯誤が必要ですが,そこに学生がチャレンジをしながら前に進んでいける仕組みを作り出したのは非常に画期的でした。
またTriangleさんは、古着のリメイクも始めようとしています。
いただいた古着は3人が地域の方々に直接お願いして,様々なお話をし,様々なお話を聞かせてもらう中でいただいた大事なものです。
値段もこだわりたいし,ちょっと販売が難しいものでも地域の皆さんからいただいた「想い」を無駄にしたくないという中であみだした古着に「新たな価値」を与える方法。
仕入れ値がない「ドネーション」というしくみだからこそ試行錯誤のできる土壌を非常にうまく活かしているなと感じました。

もう一つすごいところは、地域の着れなくなった洋服に価値を付けたというところです。これは実は「エシカル消費」という概念を聞いたことがきっかけでそういうことができないかと考えたということでした。
一旦、Triangleさん以外の小売店の話に移ります。
みなさんが小売店の店主なら利益を増やすためになにをしますか?
もちろんたくさんの服を売るということも考えられますが,販売価格を高くするか,仕入れ値を3割よりどうにかして安くして利益を増やしたいということも考えらえると思います。

一般的な流通は上の図のようになっています。
現実の大手のアパレルメーカーが行っているのは、「製造から小売りまですべて自社で行い商品の価格を落とす」ということです。
そして製造は国内で作ると高くなるので、海外で安く作るようにしています。
製造から小売りまですべて自社で行えなくても、海外で安く作られた商品を仕入れ販売しているお店もあります。
消費者にとっては安く洋服を買うことができてうれしいのですがそのしわ寄せはどこに向かっているでしょうか?
製造を請け負っている海外の発展途上国です。
発展途上国では、女性が縫製工場に出稼ぎに出ています。
そこでは午前9時から午後5時まで働いて、残業がある日は7時まで働いて月給4500円という中で生活…
ここに疑問を持ったTriangleさんは,なんとか地域にある資産を何か活用できないかということを考え,地域の資産としてある着られなくなった服をもう一度循環させています。
誰も無理をせず、むしろみんながウィンウィンの関係を作りながら商売を行っています。
ドネーションでの古着販売は経営的にも、倫理的にもとてもよい仕組みなのです。

着れなくなった古着も壁の模様へ生まれ変わっています
ここまでで取材をしてみて画期的なサービスはもちろんのこと私としてはこのような良い仕組みを作りあげたTriangleさんの頑張りも魅力になっているのかなと思います。
地域の中でどんどんと努力を続け,これからも魅力を作り続けてくれる古着屋Triagnleさん、ぜひ一度足を運んでみてください。!

古着屋Triangle