こんにちは。
今回は、前回ご紹介した皆神神社の奉納劇を観覧しましたので、そのレポートです。
皆神神社については前回の記事をご確認ください。
さて、今回の奉納劇上演は、10月20日･21日に行われ、
21日は奉納劇の他にも様々な企画が催されていました。
下記がイベントチラシになります。
和太皷にタヒチアンダンス、地元松代高校吹奏楽部・合唱部の合同発表、マジックショー、書道パフォーマンス、筝と尺八、ライブと企画が盛りだくさんです。
その他にも体験教室が2つも開催されており、前もって知っていれば応募していたのに残念な限りです。
まず、オープニングイベントとして、「TAWOO」による奉納和太皷が披露されました。
天高く轟く和太皷の演奏。
お客さんもかたずをのんで観ていました。
獅子も登場し大盛り上がりです。
続いては、タヒチアンダンスチーム「オプリオリタヒチ」の登場です。
神社本殿とタヒチアンダンス。
なかなか見ることのない組み合わせにお客さんも拍手喝采です。
さあ、どんどんイベントを紹介していきます。
マジックショーです。
ファミリー向けの笑いあるマジックショーで、
子どもたちもマジックに挑戦するなど楽しいステージでした。
迫力ある伊藤倫さんによる書道パフォーマンス。
力強い筆使いで見ている人たちを魅了しました。
オープニングを飾った和太皷TAWOOさんの演奏との共演は素晴らしいものでした。
日もかげりはじめ、奉納劇前最後のステージは、
シンガーソングライターまり子さんによるステージライブでした。
小さいながらもパワーあふれる歌声が皆神山に響き渡りました。
そして、神社が薄暮を迎えるころ、いよいよ、奉納劇の上演です。
上演を前に主催者である「皆神神社奉納劇製作委員会」の方にお話を伺いました。
『皆神神社の起源は今から一三〇〇年前、奈良時代養老二年に奉祀された出速雄神社だと伝えられています。
古来より自然崇拝や山岳信仰の対象であった皆神山では、その後中世になって修験道が栄え、
神と仏、そして自然が絡みあった独自の場所として、多くの人々の祈りを受けとめてきました。
私たちは、時代や宗教を超えて求められてきたこの場所とその意義を、後世に受け継いでいきたいと考えています。
そのために、皆神神社一三〇〇年の歴史を物語として紡ぎなおし、祈りとは何かを改めて問いかけるべく、オリジナル脚本による奉納劇を製作・上演することとなりました。
夜の境内で繰り広げられる壮大な物語と、そこに込められた強い想いが、みなさまの心に深く刻まれることを願っています。』
大きな使命感とともに、一三〇〇年という途方もなく長い歴史を分かりやすく表現し、
「祈り」というものは何なのかを問いかける。
壮大な世界観を前にして上演が楽しみでなりません！
さて、上演を前にプログラムより簡単なあらすじを紹介します。
皆神山の精霊としての宿命を背負った少女サヤと、
千年後の未来からやってきた、皆神神社最後の神職ムトー。
祈りとは何か？そこにどんな意味があるのか？
二人はその答えを求めて、神々に導かれるまま 一三〇〇 年前を目指す。
皆神神社の始まりの神、出速雄命に会うために。
何かSFのような物語なのでしょうか？
さあ、奉納劇が始まります。
始まりは奉納劇製作委員会の代表で神社権禰宜を務める武藤弘樹さんの挨拶です。
そして、皆神山の精霊である主人公サヤが“ひふみ祝詞”を口ずさみ登場するところから物語は始まります。
そして、サヤはムトーを助けて旅をするスクナとカカシの3人に出会います。
ムトーは、千年後の未来は科学のみしか信じられておらず、
人間の心に平安は無く殺伐とした世の中になっていると語ります。
そうした中で、皆神神社の廃止が決まり、
自分はそれを止めるために「祈りとは何か？」の答えを出速雄命に聞くために、
時代を遡っているとサヤに告げます。
そして、精霊としての役割に悩むサヤ自身も「祈りとは何か？」を知るために、
3人とともに2018年から1300年前の718年を目指し時代を遡ろうとしますがなかなかうまくいきません。
修験道が栄えていた1600年前後の時代に降り立ち、皆神山の修験を完成させたといわれる侍従天狗坊に出会います。
ムトーは侍従天狗坊に祈る意味を問いますが、自身の中で明確な答えまで導き出せません。
そうしていると、スクナとカカシの友人であるクグリ〈カエル〉が現れます（書き忘れていましたが3人とも神様です）。
皆で祈ることの意味を話していると突然クグリ〈カエル〉に出速雄命が憑依します。
さて、出速雄命は何を語るのか。。？
答えはYouTubeにも動画が公開されているので、ぜひご覧ください。
URL https://www.youtube.com/watch?v=5DI_APizvE8
そして、最後は創建1300年記念事業のイメージソングである「いのり」を、
歌い手である地元出身のOKIKAさんが熱唱し幕が閉じます。
とてもメッセージ性のある素敵な歌でした。
この歌はデジタル配信もされています。
URL https://www.tunecore.co.jp/artist/Minakami-Jinja?id=278195&lang=ja#r476026
感動の中の終演でした。
私たちも普段何気なく祈っています。
「テストで良い点が取れますように。」
「告白が成功しますように。」
「家族が健康で一年間過ごせますように。」
などなど、お願いごとや祈りは人それぞれですが、
意識をしていないだけで本当はすぐ自分の隣にあり生活の一部なのかもしれません。
「宗教」とか「宗派」とか、そういった難しいことではなく、
一三〇〇年もの長きの間、変わらずに人々の心の拠り所であった祈り。
これまでの人生とこれからの人生についても、
ふと立ち止まって考えさせられるいい時間になったのではないかと思いました。
奉納劇が終わり皆神山を下りるとき、
眼下の川中島平の夜景がとてもきれいでした。
こんな風に気付くことが出来たのも奉納劇のおかげかもしれませんし、
皆神神社の精霊が目を向けるようにしてくれたのかもしれません。
皆神神社では、こうした文化的取り組みをこれからも発信していくとのことです。
ぜひ皆さん、一度皆神神社を訪れてみてはいかがでしょうか？
■皆神神社ホームページ
http://www.minakami-jinja.jp/
