10月12日(土)、長野県内でも大きな被害が多数出た台風19号。
被災された方々には、さまざまなご不安があるかと思います。心より、お見舞い申し上げます。
中でも住居を被災された方々におかれましては、大変お困りなことと思います。しかし、みなさんにお伝えしたいのは、家が被災したときにすぐに家を片付けてはいけないということ。
「罹災(りさい)証明書」を発行するために、まずは家の中の浸水してしまったあちこちを写真におさめましょう。メジャーなどを添えて、床から何㎝浸水したかわかるような写真にしてください。できるだけたくさん撮ると安心です。保険屋さん、行政とやり取りする際、非常に重要になります。
では、罹災証明書について、もう少し詳しくみていきましょう。
■罹災証明書とは
罹災証明書とは、災害によって自宅(持ち家に限らず、アパートや借家含む)や事業所などが被害を受けた場合に、市区町村が被害認定調査をした上で発行する災害による被害の程度を証明する書面のこと。支援制度を受けるために重要な書類です。
また、保険金の申請や、復興のための融資などの申請をする場合も、罹災証明書が必要となります。被害調査前に家屋などを修繕・掃除する際は必ず写真をとりましょう。また、修繕の見積書(または領収書)も保管しておくようにしましょう。
■罹災証明書の発行手続き
豪雨、地震などの自然災害では、市区町村役場で無料で発行してもらえます。「申請⇒現地調査⇒発行」の手順です。
全壊・半壊など規模の大きな損壊については資産税課へ、火災による罹災証明は消防署へ、交通事故による被害の証明は警察署へお問合せください。
〇手続きに必要なもの
- 罹災証明書等交付申請書 [Wordファイル/16KB]
記入例 [PDFファイル/32KB] - 被害状況がわかる写真(カラーコピー可)
- 身分証明書(運転免許、パスポート、健康保険証など)
- 建物等の図面(手書きで結構です。被害を受けた箇所がわかるように図面で示してください。)
※写真に番号をつけ、建物等の図面にその番号を記入してください。
(出典:長野市ホームページ―罹災証明書の発行)
■「罹災証明書」の被害認定基準
罹災証明書で証明されるのは、自宅などの「被害の程度」です。
(※被害額については証明しません。注意してください。)
被害の程度は、内閣府が定めた「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」の中で、全壊・大規模半壊・半壊・半壊に至らないの4つに区分されています。
また、住居以外の建物、塀、門扉などの付帯物、自動車などの動産や家財など、住居以外の被害の事実を証明する書類としては「被災証明書」があります。これは、被災した場合の休業証明など、各種手続きに必要となります。
≪全壊≫
住宅がその住居のための基本的機能を損失したもの
・住家全部が倒壊、流失、埋没、焼失したもの
・住宅の損壊が甚だしく、補修により元どおりに再使用することが困難なもの
※具体的には、住家の損壊、流失、焼失した部分の床面積が住家の延床面積の70%以上に達した程度のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、住家の損害割合が50%以上に達した程度のもの
≪大規模半壊≫
居住する住宅が半壊し、構造耐力上主要な部分の補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難なもの
※具体的には、損壊部分が住家の延床面積の50%以上70%未満のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、住家の損害賠償が40%以上50%未満のもの
≪半壊≫
住家がその居住のための基本的機能の一部を喪失したもの
・住家の損傷が甚だしいが、補修すれば元どおりに再使用できる程度のもの
※具体的には、損壊部分が住家の延床面積の20%以上50%未満のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、住家の損害賠償が20%以上40%未満のもの
≪半壊に至らない≫
補修は必要だが、損害内容が半壊には至らないもの
■罹災証明書Q&A
Q1.交付された罹災証明の判定に納得がいかない場合はどうすればいいですか?
A.申請された窓口へご連絡ください。2次審査や再審査が可能です。(※ただし、判定が必ずしも変更になるとは限らない)
Q2.「罹災証明書」はどんな場面で必要になりますか?
A.証明書に記載された被害の程度によって、被災者生活再建支援金・災害援護支援金・各種減額・免除などの申請ができる場合があります。
Q3.罹災証明書は複数発行してもらえますか?
A.罹災証明書は住家に1枚のみの発行となります。
Q4.いつまでに申請すればいいですか?
A.申請は随時受け付けていますが、罹災後相当期間が経過した場合、罹災物件と災害の因果関係が確認できず、証明書の交付ができない場合があります。
◇最後に
被災された方々は、現在非常に情報の入りにくい状態かと思います。
気持ち的にも、積極的に情報を知ろうと動く元気はないかもしれません。
しかし、少しでも情報にアンテナを張っていれば、今後ボランティアの受け入れ申し込み等、有益な情報を得られる場合があります。
有益な情報を逃さないようにして、一人で抱え込まず、ぜひ周りの人に頼ってください。
少しでも皆さまのご参考になれば幸いです。1日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。
みんなで力を合わせて、がんばりましょう!